SONY MDR-7506レビュー
2014-04-11


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中島みゆきは、スピーカーで聴く印象と異なり(スピーカーだとレンジの狭さを感じる)、意外にもしっくりはまり、程よいレンジで聴きやすい。レンジが適度に狭い分聴きやすいという事か?

・JAZZはこのヘッドフォンの真骨頂。各楽器の存在が明確にわかりつつ、音がストレートに伝わる。ライブ音源はきちんとライブとして、収録音源はテッドで楽器そのもの音が伝わる。良い悪いは別として、マイルス・デイヴィスのトランペットは耳に突き刺さるほど、まるですぐ耳元で演奏しているかのよう。
実際に間近でトランペットを吹かれたら耳に突き刺さりますが、まさにそれのミニチュア版。

・クラシックは、音場の狭さが気になるものの、JAZZと同様、各楽器の音が団子ではなく分離してきちんと伝わるので、本来のクラシックの楽しみ方とは違いますが、これはこれで。
やはりライブ音源なら結構楽しめまして、やや古いですがDENONから出ているドヴォルザークの交響曲第9番のライブ録音は、ライブ音源らしい響きと共に、各楽器の存在も明瞭で、これはスピーカーで聴くのとは違った新鮮さがあります。



【iPod touchでの音楽評価】
MDR-7506はインピーダンスが63Ωと高め。したがって、出力に余裕のないポータブルオーディオでの使用は若干不利で、手持ちのiPod touch第4世代の場合、普段つないでいるSONY XBA-3SL(インピーダンス12Ω)と比較して、同程度の音量にするにはボリュームをかなり上げ気味にしなければならない。
3SLでボリュームが3/10の位置だとしたら、7506は5/10程度か。
同じソニーのZ1000はインピーダンス24Ω、やや高めなEX1000の32Ωと比べても、さらに高いので、注意が必要。
やはり、前提が出力の大きい据置機や業務用機向けなので、民生用のカメラとの組合せでは、モニタリング音量に不満が出るかも。

さてiPod touchでは、ボリュームは一般のイヤホンよりは上げ気味にする必要はあれど、音量的には十分なレベルまでは上げることは可能。
据置機のSA-15S1と比べると、iPod内蔵ヘッドフォンアンプがしょぼいのは仕方ないが、音質的にはそこそこ楽しめると思う。この組み合わせでも、ソースの良し悪しがはっきりわかるのはさすがで、Appleロスレスで取り込んだノラジョーンズを聴くと、ボーカルの息遣いもはっきりと聞き取れる。迫力の出方は、SA-15S1と比べて後退する。また解像感ももう一歩か。
あれ、ヘッドフォンの評価ではなくiPodの評価になってしまったような…


【総評】
モニターヘッドフォンとしての資質は十分で、特に1万円弱でこれだけの解像度を得られるヘッドフォンは貴重な存在。
録音のモニタリング用途として、コストパフォーマンスに優れており、予算がないならこのヘッドフォンがおすすめ。
設計が古い分、装着感や加水分解しやすいパッドの耐久性は、最近の設計のものより劣るものの、長く作られているだけあって交換部品の入手がしやすい、メンテナンスしやすいのも魅力。
単純に音楽鑑賞だけなら、もっと音楽的によく聴かせてくれるヘッドフォンが存在するのも事実だが、それにはこのヘッドフォンの3倍以上の価格が必要。
ジャズなどテッドな音源をメインに聴くなら、このヘッドフォンを音楽鑑賞用として考えてもよいと思う。
ヘッドフォン好きなら、1つ持っていて損はないでしょう。

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